Room06  

2012.8.7

カラフルでポップ! ファンタジックな少女漫画の世界

あったかいが詰まったアッコちゃんのリビング

美術監督 岩城南海子

誰もが知る国民的マンガ『映画 ひみつのアッコちゃん』が初の実写化。綾瀬はるかさん演じるオトナに変身したアッコちゃんが魔法のコンパクトを武器に、恋に仕事に奔走する。アッコちゃんが最初に変身する女の子の夢が詰まったお部屋はどんなふうにつくられたのか。カラフルでポップでガーリーなお部屋のポイントを美術担当の岩城南海子さんに語ってもらいました。
text by 釣木文恵

アッコちゃんママの手作り小物が愛らしいお部屋

アッコちゃんのお部屋(セット)と外観を撮影したお家、そしてリビングを撮影したお家はそれぞれ別々の場所なので、違和感なく一つのお家に見えるように意識しました。リビングは、実在の一軒家をお借りして撮影しました。間取りも壁紙も自由に変えることができないので、ごく普通の間取りと白い壁に対して、装飾のみでファンタジックな世界観を表現しました。
実際に人が住んでいる一軒家の1階のLDK部分のみを借りて飾り付けたリビング。セットのアッコちゃんのお部屋とつながるひとつの家と感じられるようにするために、家具や小物などで統一感を表現
手づくりの小物がたくさんあるアッコちゃんのお部屋とのつながりを意識し、リビングにもアッコちゃんのお母さんが手づくりしたという設定のパッチワークなどをふんだんに配して、温かみのある空間にしました。モノであふれているのにごちゃごちゃしていないそのポイントがあるとすれば、かわいらしさを持ったものでやわらかく統一していることでしょうか。また、アッコちゃんの飼い猫“シッポナ”にちなんで、猫のモチーフを随所にちりばめています。
手芸が趣味のアッコちゃんのママ。その生活が伝わるようにヴィンテージっぽい生地を集めた裁縫セットも。壁にかかったパッチワーク、クッションカバーなどもすべて手作りで、あたたかさを演出。隠れキャラクターのように随所にちりばめられている、猫のモチーフもポイント。(ねこのポンプ容器/chocoholic、あひるのぬいぐるみ/株式会社 ロクマルスタイル)
3人家族の住まい。小さな和室も撮影用に装飾したが、残念ながら劇中には登場しなかった。一見空間の使い方が狭いようにも見えるが、家族の様子が見えるキッチン、ソファとダイニングテーブルの距離など、親子の距離の近さが感じられるようなリビングになっている。
映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#78(2012年10月号 8月18日発売)
『映画 ひみつのアッコちゃん』の美術について、岩城さんのインタビューを掲載
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プロフィール

岩城南海子

iwaki namiko
76年東京都生まれ。女子美術短期大学卒業後、『さくらん』(07)で美術監督デビューし日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞。おもな作品に『白夜行』『洋菓子コアンドル』(ともに10)などがある。川村監督とは『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ』(11)以来のタッグ。
ムービー

『映画 ひみつのアッコちゃん』

監督/川村泰祐 原作/赤塚不二夫 脚本/山口雅俊 大森美香 福間正浩 出演/綾瀬はるか 岡田将生 谷原章介 吹石一恵 塚地武雅 大杉漣 香川照之 配給/松竹(12/日本/120min) 10歳の女の子、アッコこと加賀美あつ子はある日鏡の精に魔法のコンパクトをもらい、22歳の自分に変身する。偶然出会った大手化粧品会社のエリート・早瀬に気に入られ、こっそり塾を休んでバイトをはじめるが……。 9/1~全国順次公開 ©赤塚不二夫/2012「映画 ひみつのアッコちゃん」製作委員会
『映画 ひみつのアッコちゃん』公式HP
https://www.facebook.com/akkochan.movie
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