Room28  

2014.4.11

不思議な雰囲気をかもし出す洋館

奇妙な予知夢をみる悪夢ちゃんの部屋

美術デザイン 高野雅裕

小中学生に絶大な人気を誇ったドラマが、映画『悪夢ちゃん The 夢ovie』となって帰ってくる!主人公の悪夢ちゃんこと結衣子のみる不吉な予知夢を、担任教師の彩未が読み解きながら難事件に挑む学園ファンタジーだ。怪鳥・ハルピュイアに乗った少年夢王子の登場をはじめ、ダイナミックにスケールアップした夢の世界。そんな悪夢をみてしまう部屋は、どのようにつくられたのか。美術デザインの高野雅裕さんに訊いた。

クラッシックなデザインが光る柔らかい空間

悪夢ちゃんこと結衣子(木村真那月)と、祖父であり、夢研究所の教授でもある古藤万之介(小日向文世)が暮らす家は、ひっそりとした雰囲気の大きな洋館だ。 「今回撮影のためにお借りした洋館は、実際は埼玉県川口市にあります。ドラマのときと同じ場所ですが、当初、佐久間紀佳監督とカメラマンが気に入ったことから、そこに決まりました。外観や、庭での食事、居間のシーンはここで撮っています」

広い敷地のなかにあるロケ地の洋館。「部屋数は10室くらいある」というくらい大きな建物。

物語は結衣子が恐ろしい予知夢をみてしまうことから始まる。撮影するシーンも多いことから、彼女の部屋だけはセットで建てられた。 「結衣子の部屋には柔らかい感じを出したかったので、木の窓枠にしたかったんです。しかし、洋館はアルミサッシに変えられていて、実物に手を加えることはできなかった。ロケマッチしないので悩んだのですが、結衣子の部屋だけ外観からは見えない裏の方にある設定にして(笑)、雰囲気のある木の窓を取り付けました。居間のシーンは洋館で撮っているので、壁やフロアの感じは合わせています」

半年前に引っ越してきたという設定で、子供部屋だからといって余計なものは置かずすっきりと仕上げた部屋。洋館に合わせたクラッシックな雰囲気の小物が並ぶ。

一番のこだわりは、やはりベッド。悪夢にうなされ、結衣子が「キャー!」と叫んで飛び起きるシーンはドラマファンなら記憶に新しいだろう。
「ベッドの位置は最初のころとは少し変えていきました。家具は全体的に、装飾部、小道具さんと洋館の部屋をひとつひとつ見て回って、この質感がいいね、こういう雰囲気がいいねと話し合って用意してもらったものを配置していきました」

実際に脳波を計る機械をベースにして、LEDのライトなどを取り付けてつくり上げた悪夢を映像化するためのヘッドギア。

2階にあるという設定の結衣子の部屋。日の光が入る窓際をベッドスペースにして、勉強机や応接スペースと空間を広々と使っている。

映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#88(2014年6月号 4月18日発売)
『悪夢ちゃん The 夢ovie』の美術について、高野さんのインタビューを掲載。
プロフィール

高野雅裕

takono yasuhiro
91年日本テレビ入社。バラエティ番組『恋のから騒ぎ』などを経て、95年『星の金貨』でドラマを手掛け、96年日本テレビアートに出向。おもな作品に『女王の教室』『ホタルノヒカリ』『バンビ〜ノ!』『ザ・クイズショウ』、映画『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』『映画 ホタルノヒカリ』など。『悪夢ちゃん スペシャル』(日本テレビ)が5月2日21:00~放送。
ムービー

『悪夢ちゃん The 夢ovie』

監督/佐久間紀佳 原案/恩田陸 脚本/大森寿美男 出演/北川景子 GACKT 優香 木村真那月 マリウス葉(Sexy Zone) 配給/東宝 (14/日本/119min) 小学校教師・彩未のクラスに、予知夢をみてしまう“悪夢ちゃん”こと結衣子が転校してきて半年。彩未の指導のもと、クラスメイトの理解も得られ、みんなで6年生に進級。楽しい学園生活を送るはずだったある日、予知夢に美しい少年夢王子が現れ……。5/3〜全国公開 ©2014 「悪夢ちゃん The 夢ovie」製作委員会
『悪夢ちゃん The 夢ovie』公式HP
http://www.ntv.co.jp/akumu/
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