Room14  

2013.2.15

テーマカラーを活かした空間づくり

クールな“青”に甘さを足したまいちゃんの部屋

美術監督 黒瀧きみえ

益田ミリの人気四コマ漫画『すーちゃん』シリーズを映画化した『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』。悩みながらも毎日を一生懸命楽しむタイプの違う3人の女性が描かれている。それぞれの衣裳にはイメージカラーがあり、その色はキャラクターを象徴する色として美術にも取り入れられた。まいちゃんのテーマカラーは、“青”。色でキャラクターの個性を表現したまいちゃんの部屋づくりを、美術監督の黒瀧きみえさんに語ってもらいました。
text by 小竹亜紀

胸に秘めた思いをテーマカラーで表現

まいちゃんの家は、学芸大学駅近辺にあるすーちゃんの家の近所という設定。撮影は実際にあるマンションの一室で行われた。「まいちゃんには、都会的なイメージがありました。仕事ができる34歳のOLという設定なので、そこそこお給料をもらっていると思い、住まいの設定はマンションにしました」。間取りは広い1K。「別にベッドルームがあるような広いマンションには住めないと思ったんです。そこで、ラックを仕切りにして、ベッドを置くスペースをつくりました」。
まいちゃんのテーマカラーは青。「部屋のポイントは、水槽なんです。不倫をしている彼女がひとりになったとき感じている寂しさを、水槽が発する明るい光と対比させることで、より伝えられると思いました」。
青がポイントになった部屋は、一見クールなイメージ。そんな中で女性らしさを感じられるのが、壁に描かれた花。「これは“ウォールステッカー”というシールです。美術スタッフがネットで検索して購入しました。まいちゃんには、花を飾るというイメージがなかったのですが、部屋に女性らしさを加えたかったんです。壁にも跡が残らないですし、部屋の印象が一気に華やかになる優れものです」
机のドミノはドイツの玩具メーカー HABA社のもの。不倫相手が子供のおみやげに買ったものを忘れて行ったという設定。
家具で上手に仕切った広い1K。キッチンは独立していて、友だちを家に呼んで食事をしても、十分に居心地の良い空間。
映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#81(2013年4月号 2月18日発売)
『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』の美術について、黒瀧さんのインタビューを掲載。
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プロフィール

黒瀧きみえ

kurotaki kimie
神奈川県生まれ。劇団四季の美術部を経て、フリーの舞台美術家に転身。近年では、舞台美術だけではなく映画美術監督としても活躍している。おもな作品に『60歳のラブレター』(09・深川栄洋)、『曲がれ!スプーン』(09・本広克行)、『ガール』(12・深川栄洋)など 。『清須会議』(三谷幸喜)は11月公開。 黒瀧さんは『ガール』のお部屋でも登場!
ムービー

『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』

すーちゃん まいちゃん さわ子さん 監督/御法川修 原作/益田ミリ 脚本/田中幸子 出演/柴咲コウ 真木よう子 寺島しのぶ 染谷将太 井浦新 配給/スールキートス(12/日本/106min) かつてのバイト仲間だったすーちゃん(柴咲)とまいちゃん(真木)とさわ子さん(寺島)は10数年経った今でも仲良し。それぞれ毎日を頑張って過ごしているけど、悩みは尽きないようで……。3/2~全国公開 (c)2012 映画『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』製作委員会
『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』公式HP
https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=009649
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